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カンヌに行ってみた(渡航記)
※このエントリーはカンヌ渡航記というかカンヌに行く人向けガイド的な内容なので、結果などについての感想は「カンヌに行ってみて」のほうをご覧ください。
カンヌに行ってきた。昔で言うカンヌ広告祭、今は「広告」ってのが取れてCannes Lions International Festival of Creativityってのが正式名称なんだけども、長いので一般表記上はカンヌライオンズって言うようだけど、まあ広告界ではカンヌって言えばわかるね。
でまあ、私は久しぶりに訪れた。「広告」が取れてからは、初。独立してやりたかったことのひとつ、というかやらにゃいかんのではないかと思ってたのががカンヌ訪問だった。これまでだと周囲に行く人が必ずいたし、報告会もおこなわれてたのでなんとなくの潮流ってのがわかったんだけど、独りだと情報入ってこないし、知り合いたちと(もちろん新しい方たちとも)まとめて会うチャンスだし、というふうに思っていたのだ。
で、今回、カミさんも連れて、ってのもやってみた。これまでいろんなとこの広告賞に行ったけど、海外の審査員なんかはパートナー連れというのが割と普通だったりもするし(事務局からぜひどうぞと促されたりもする)、カミさんのほうが私よりも英語堪能だしストプラ職はなかなか会社補助で行ける機会もなかろうし、それになにせ独りでご飯もボッチになっちゃったりしたらもう悲しくて悲しくて夏のコート・ダジュールなのに震えるってことで奮発したのであった(やたら参加費が高いし、なにせ会社補助じゃないのである、自前なのだ)。
カンヌに行くには、鉄道でのアプローチもあるだろうけど普通はまず乗継便でニースの空港まで行くことになる。今回ニース空港からはバスに乗ってカンヌまで。会場から西に少し歩いたバスのりばに着く。1人20ユーロで1時間程度の行程。帰りは朝早いし人が多そうだと思いタクシーにしたが、80ユーロくらいであった。そうそう、去年も期間中に電車のストがあったそうだが、今年もタクシーのストがあり、最終日前々日あたりは事務局が無料バスを仕立てたりしていた。ちょうどバカンス前でこの時期にストが起きることが多いのだそうだ。迷惑なものであるが、個人主義のフランスではストくらいやらないと世の中に主張できないのだそうだ。ちなみにこのストライキ、Uberに反対してのものだとか。
さて、ホテルは会場から山側にまっすぐ登っていったところにした。近いと思ったが坂だったので荷物運ぶのにはちょいと苦労した。ま、会場から徒歩5分ほどなので、近いほうかな。ホテル選びってのも難しい。というかそもそも取りづらい。会社で何人かまとめていらっしゃるならアパートをレンタルという方法もあるだろうが、2人でそれやるのも非効率だし。とにかく早めの予約が吉、であろう。今回のホテルはサービス面では特筆すべき点はなかったが、割と広めでよかった。
今回は本チャンの前にLions Healthという医療関係に絞ったものがおこなわれていたのだが、そちらはパス。初日の前日夕方に到着し、チェックインしてから散策がてら会場まで歩いて、早速晩ご飯。Astoux et Brunというお店。とっても賑わっておる。日本の方が来ると必ずコチラで食べる機会があるであろう、定番のシーフード。生牡蠣や貝、エビなどを盛ったヤツとか、ムール貝とかを頼んで豪快にいきたい。あと、この辺の名物Soup de poisson。まんま魚のスープだけど、チーズを入れたりソースを足したりして食べる。会場の冷房で冷えたカラダにしみるのである。酒はロゼをキンキンに冷やして、というのがこの辺の流儀のようだ。スーパーに行ってもロゼの棚の広さがハンパない。今回はトリップアドバイザーでチェックしながら店選びしたが、そうだなあ、食についてはどこもおいしいんだけど、基本パスタは避けるが吉。まだリゾットのほうがまし。ピザはいい。日本食は期待のハードルを下げまくってから臨むとしあわせになれるかも。という感想。
で、初日。朝早くから海岸沿いを散歩してから会場へ行き参加登録をする。結構、並ぶ。このとき、本人確認できるもの(パスポート)を持って行ってたほうがよい。スマホアプリ上で事前に登録してたのでバーコードのスキャンでよいと思い何も持って行ってなかったので、しばらく押し問答。聞くと、どこでもスキャンできないのだと。なんじゃそりゃ。結局、写真を事前にアップロードしてたこともあって、登録してもらえたけども。
登録カウンターで入館証をもらい、地下に降りてバッグ類一式をもらう。ひとりひとりの体格を見てTシャツを渡している。おつかれさまである。初日はまだ審査も途中なので会場には展示もまばら。会場に置いてあるPCでのチェックはできるが、全部見るのは到底不可能なのでHealthの受賞分を見たりして、午後からセミナーへ。博報堂さんのがおもしろかった。一方で、ある「女子」系テーマ(今年多かった?)のは、うーん、というものも。事前の準備のあるなしってのが大きいよね。こういうのは適当なパネルディスカッションが、一番危ない。ダラダラして、何をお持ち帰りして欲しいのかわかんないのである。
セミナーも、並ぶ。しかし、その前にやってるセミナーから居座ることもできるので、どうしてもいい席で見たい!という場合はひとつ前からがんばるという方法もある。あ、会場内はエアコン効きすぎかもしれないので寒がりの方は羽織れるものがあると便利。
夕方、アワードセレモニーへ。開始時間の45分前に開場になるのだが(最終日は75分前)、それよりも早めに行って並んでおくと良い席で見ることができる。うまく行くと、1階席に割り当てられることも。
セレモニー後にフラフラしてると知り合いに出くわして、ご飯でも、ということに(だいたい)なる。(今回も博報堂さんやパズルさんなどなどにお世話になりました。ありがとうございました。)とにかくいろんな人に会うので名刺はたくさん持っていくべし、です。
2日目以降も、セミナー見たり受賞作チェックしたりビーチサッカー大会を眺めたりして夜にセレモニーというのが続く。スマホアプリにその日やるセミナー一覧とかあるのでスケジュール管理に便利だ。ちなみに、今年は途中Innovation Lionが2日間別会場でおこなわれたが、来年以降はどうなるか不明。
1週間の会期なのでずっと会場にいるのにも正直飽きが来る(というのが人情だ)。カンヌを離れて周辺を観光するのも気分転換になって良いと思う。今回は二人でサントノラ島に渡ったり、知り合いに誘われてエズやモナコに行ったりした。サントノラ島で泳ごうと思ってたのだがクラゲが発生してた&そもそも泳ぐ場所が少なかったのは予想外だったが、楽しかった。
会期も後半になると、セレモニーのない日もあるためかいろんなところ主催のパーティーがあるのでそちらに行くことになるだろう。招待が必要なところもあるが、日本の企業が開いているものはフリーパスのところがほとんど。日本食が恋しくなったところに素麺とかいただけて、ありがたい限りである。(TYOさん、博報堂クリエイティブヴォックスさん、パズルさん、AOIさん、ありがとうございました。)最終日前日にはキラメキさんのハウスで総括的な会も開かれた。審査員も数名参加していろいろ聞けておもしろかった。来年以降もやるかも、とのことなので、チェックされるとよいのではないだろうか。
全体のパーティーとして、2日目にはオープニングガラ、最終日にはクロージングガラがおこなわれる。もちろん、入館証が必要。夜中まで世界中の人達が飲んだり踊ったりしておる。その後にガターバーっていうキャッシュオンデリバリーの店になだれ込んだりもするものだが、今回私はそこまでの体力がなかった。
そういえば、オープニングガラで何人かの知り合いがスリにあったり、レストランで荷物の置き引きにあった人もいると聞いたので気をつけるべし。陽気な土地だし、知り合いも多いのでついつい安心しちゃうんだけど、やっぱり海外だからね。
てなわけで1週間あっという間に過ぎていく。名残り惜しいけども、仕事あるし、帰らなきゃ。なのだが、せっかくヨーロッパに来てるんだからどこかに寄って帰るのも手である。今回は乗り継ぎ地であるパリに2泊して帰った。ちなみに、ちょうどバーゲンの時期ですよ。