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「イケてる大人 イケてない大人」を読んで
昨年末あたり、ホンダのCMでSuchmosのSTAY TUNEを聴いた時に、なんだか懐かしい気持ちになった。音楽的にJamiroquaiに似てるだのという話でなるほどなあとも思ったんだけども、CMで思い出したのはIBM ThinkPadのやつ。Donald FagenのI.G.Y.という曲を使ってて、りょうが手を広げるカットが印象に残ってる。コピーは「大人の翼」であった。
博報堂 新しい大人文化研究所著の「イケてる大人 イケてない大人」を読んだ。
というかですね、私の配偶者というかカミサンがこの本の2〜4章を書いてるんですよ。今年は夫婦揃って本が出るなんてねえ珍しい年だねえなんて話をしとるわけなんですよ、ええ。
さて。
この本が分析の対象にしている「大人」というのが、45〜69歳の男性。うおー、アラフィフな私もバッチリ対象なのである。で、なんで「大人」って言ってるのかというと今どきの50代60代をシニアとかシルバーでくくるととたんに自分事じゃなくなっちゃうから、なんだそうだ。まあ、そうだよなあ、周りの皆さんとっても元気だもんなあ。
で、その「大人」世代と20代男女の若者世代との意識の差を対比しながら「イケてる大人 イケてない大人」像を明らかにしていこうというのがこの本の狙いである。職場のコミュニケーションやらSNSの使い方やら趣味レジャーやら、暮らしのいろんな面でイケてることイケてないことを列挙していく。
そうか、大人かあ。シニアどころか自分が大人だなんてことも自覚してなかったなあ。なんだろう、若者じゃないんだけど、大人だとも思ってない。「大人」というものの像が自分と一致してないってことなんだろう。大人ってもっとカッコイイものなんじゃないか、パリッとしてたりキラキラしてたり、ウィットがあるとか余裕があるとか落ち着いてるとか。自分はそんな域には達しておりませんよ、という感じがするのである。じゃあ何か。そうだなあ、「中堅」とかが当てはまる気がする。ついでに世代論の時には必ず「新人類」と「団塊ジュニア」の隙間になっちゃうんだよなあなんてことも思い出したり。
SuchmosのSTAY TUNEをダウンロードして聴いてみた。「♪Tokyo Friday Night」には家で翌日のJリーグのスタメン(かろうじてFC東京だが)を思案してるような私なのであり、Suchmos的には「♪もうGood Night」だ。そうだなあ、20代だった私は「イケてる大人」にいずれなれたらいいなあと憧れちゃってたのだろうなあ。ThinkPad買ったし。Jamiroquaiのライブにも行った。たしか恵比寿のガーデンホールだった。どこでどう間違ったのか。年ばかり重ねて「大人」じゃない自分にとって、懐かしくてカッコイイ「大人の翼」はどこか遠いところにある。そう気づいて、ちょっとだけ寂しかった。
・・・てな自分語りは「イケてない」らしいですこの本によると、はい。