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2017 Apr.05

改編期に思う

4月である。テレビの改編期である。

 

番組がいろいろなくなったり新しい番組がはじまったりするわけなんだが、私が気になるのが「深夜番組がゴールデンに昇格」というやつである。

 

深夜で評判の良かった番組(主にバラエティだ)がゴールデンタイムに放映時間を変えて、まあ世帯視聴率は増えるだろうし出演者のギャラもアップするんだろう、関係者みんな喜ぶ感じの告知をぼんやり眺めたりするのだけども、これ、なんか違和感ありなのである。

 

昨今のテレビの視聴状況からするに、深夜とゴールデンでは視聴者の中身がだいぶ違うはずで、仮に番組を商品だとすると、これまでの顧客をいったん全部ゼロリセットにして違う人たちにイチから売り込みます。という形になっちゃうんじゃないかと思うのである。エリア限定発売で売れてた商品を元のエリアでは終売してまったく別のエリアで売り出すようなもの、だろうか。これ、普通に考えたら、なんでやるのムチャでしょ、という話になる。

 

しかも、「たくさんの視聴者に支持されるために」ゲストにメジャーな人を起用しようと映画やらドラマの宣伝のためのタイアップばかりになったりとか、もともとあったエッジが削がれていく。コンテンツ=商品の質が変化しちゃうのである。

 

というわけで、目立つ深夜番組だったものが他の番組と似たようなものになってしまって元の顧客は見なくなり「たくさんの視聴者」だって他と似たような番組をあえて見ようとはせず、ということになっちゃうんじゃないか。というか、そうなってる番組これまでにけっこうありましたよね。

 

その点、「アメトーク」は木曜深夜はそのまま継続で日曜ゴールデンも、という拡張路線なので戦略的にも納得がいく。商品ラインのエクステンションってやつなので。特殊な例だとは思うが。

 

そもそもテレビ局は時間帯別というかコンテンツ別の視聴者の質を分析するとか、してるんだろうか。まあこういうこともリアルタイム視聴前提な放送だからこそで、いずれ配信に置き換わっていくとそもそもの深夜だゴールデンだってのはなくなっちゃうんだろうけども。そういえば、Netflixの視聴者分析やらリコメンドのエンジンはたいしたもんらしいですね。